予防歯科が必要な理由2全身の健康を守ります
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歯がなく噛めなくなると、
全身疾患の発症リスクが高まります
歯の健康を、“お口の中だけの問題”と捉えている人が多いと思いますが、歯の健康は全身に影響しています。多くの歯を失って噛めなくなると、さまざまな疾患の発症リスクが高まるのです。中には命に関わる疾患や介護が必要になる原因疾患も含まれます。
健康のために、適度な運動を心がけたり、栄養バランスに気を付けたりする人は多いと思います。しかし、健康のために歯を大切にすることが必要です。
咀嚼機能の低下が招く
恐ろしい病気
歯がなく噛めなくなると、さまざまな全身疾患の発症リスクが高まることがわかっています。次に紹介する「認知症」「脳血管疾患」のほか、肥満や糖尿病、胃腸への負担とも深く関係しています。
認知症
厚生労働省研究班が愛知県の健康な高齢者4425名のデータを分析したところ、ほとんどの歯がなく、義歯も使用していない人は、自分の歯が20本以上残っている人に比べて、認知症発症リスクが1.9倍にも高まることがわかりました。 また、何でも噛める人に比べ、あまり噛めない人の認知症発症リスクは1.5倍という結果となりました。
咀嚼と脳の働きの関係
認知症が発症する原因は、まだ明確になっていませんが、咀嚼能力の低下によって脳に伝わる刺激が減ることが原因と考えられています。普段何気なく行っている咀嚼には、脳を活性化し、脳の血流量を増やす働きがあるのです。
歯の喪失は体のバランスにも影響
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歯を失い、抜けたままの状態で放置してしまうと、噛み合わせが乱れ、体全体のバランスに影響します。噛み合わせは、単に歯と歯の接触することを言うのではありません。噛んだ時の顎の位置や筋肉の緊張など、さまざまなことを考慮して噛み合わせのバランスを整えることが必要となります。
そのため、歯の喪失によって噛み合わせが悪くなると、顎の位置が悪くなり、全身のバランスを乱す原因になります。顎(顎関節)は、さまざまな骨・筋肉とつながっていることから、顎の位置のズレによる影響は全身に及ぶのです。
噛み合わせの乱れによる影響は多岐に渡り、引き起こされる症状には頭痛、肩こり、腰痛などが挙げられます。
転倒のリスクが高まる
悪い噛み合わせによって全身のバランスが乱れると、転倒するリスクが高まります。実際に、65歳以上の健康な人を対象に行った調査では、20本以上自分の歯が残っている人に比べ、自分の歯が20本未満で義歯も使用していない人の転倒リスクは約2.5倍という結果となりました。
高齢者の転倒は、大きな事故につながる場合もあり、転倒による骨折が寝たきりを招くこともあります。介護が必要になった原因の12.2%が転倒による骨折となっています(平成27年版 高齢社会白書)。
将来、健康で自立した生活を送るため、1本でも多くの歯を残し、正しい噛み合わせを維持することが大切です。
咀嚼機能の低下が招く
恐ろしい病気
歯の喪失がさらなる喪失を招く
多くの歯を失って噛めなくなると、さまざまな全身への悪影響が懸念されます。しかし、「1本くらいなら歯がなくても大丈夫」ということではありません。1本の歯を失うと、さらに多くの歯を失う可能性があるのです。
1本の歯を失ってブリッジや入れ歯になると、さらに他の歯に負担をかけ、歯を失うリスクが高まります。歯を1本失うことが、多くの歯を失うことにつながるのです。現在、多くの歯が残っているという人も、1本の歯も失うことがないように、適切なメンテナンスを受けることが大切です。それが、歯を守るだけでなく、全身の健康を守ることにつながります。
- 歯を失うと…
- ブリッジ治療の場合、健康な歯を
削る必要があります - 支えとなる歯に負担をかけ
失うリスクが高くなります